工法紹介

先行削孔ゲル注入工法とは

打設困難な中間層が存在する地盤に鋼管杭、鋼管矢板、鋼矢板を打設する際、
必須の補助工法に先行掘り・砂置換工法があります。
この補助工法の際に先行掘りと同時に空隙を埋めるゲルを充填する事で
工程の大幅な削減を可能にする新規の先行掘り工法です。

工法の概要

鋼管矢板の場合、礫層がある、N値が高いなどで、打設困難な中間層が存在する地盤に打設する際、従来は2つの選択肢がありました。
(1)能力の高いバイブロ、打撃工法で打設する。
(2)補助工法として先行掘り・砂置換工法を採用する。

(1)能力の高いバイブロ、打撃工法で打設するケース

バイブロ、打撃工法は、発生する振動、騒音が周辺住環境などに与える影響から昨今は敬遠される傾向が強くなっています。本工法で、打設前に先行掘りと同時にほぐされた周辺地盤の空隙にゲルを注入し、杭が貫入した時の固い地盤による抵抗を減じることで、振動・騒音のより少ない工事を、中掘り圧入工法で実施することが可能になります。
→ 硬質地盤だからと諦めていた井筒基礎工事が中堀工法で可能となります。

(2)補助工法として先行掘り・砂置換工法を採用するケース

【従来工法】
①ケーシング・先行掘削⇒②排土⇒③置換砂充填⇒④養生⇒⑤打設
という5程を要していました。
【本工法】
①先行掘削と同時にゲルを充填⇒②打設
という2工程で実施するので、工程を削減できます。
このケースでも周辺住環境への振動・騒音の影響を抑えた中掘り圧入工法で実施することが可能になります。
複数で長尺の井筒基礎を打設するのに、先行堀り・砂置換工程と打設工程で2渇水期を要するケースもありましたが、本工法により、1渇水期で済ませることが可能となります。
→ 砂置換工法で必要としていた長い工期を短縮することが可能となります。

*従来、オールケーシングで全周掘削、砂置換工法では、φ1000mmの鋼管矢板の場合、継ぎ手かんごう部の寸法もいれてφ1200mm程度で掘削する方法が一般的です。しかし、設計上の周辺摩擦などに懸念が残ることが指摘されています。本工法の場合、この点を考慮して、掘削するのはかんごう部のみ、すなわち寸法としてはφ600mm程度を先行掘りします。

工法のメリット

従来工法の5工程が、本工法で2工程に大幅に短縮されます。

従来工法

グラウンド・ルーセン工法

井筒基礎の橋脚複数基を打設するのに、砂置換と打設で2渇水期を要していましたが、1渇水期で済ませることが可能となります。

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